STAR NOTES 赤という名の内側/渡邊璃音 静かに座ったまま、私は自分の中の「赤」と向き合っていた。 それは情熱の赤かもしれない。怒りの赤、あるいは、哀しみの赤。 チュールのドレスはふんわりと優しくて、だけど、どこか刺さるように鋭い。編み込まれ...
STAR NOTES 白に染まる夢の輪郭/雪野雪明 白いドレスに包まれた私は、 どこにも属さない夢の狭間で目を閉じる。 壁に寄りかかる体。 布の流れが、時間の輪郭を曖昧にしていく。 遠くで、蝶が羽ばたく音がする。 白に包まれた静けさの中で、 私の指先が...