資生堂ビューティークリエイションセンター※1では、メイクやヘアの現在と未来を探る「ビューティートレンド研究※2」を1987年より行っています。世界のコレクション情報や、一般の方へのヒアリング※3、国内女性雑誌・SNSのビューティー傾向などを総合的に分析した上で、資生堂ヘアメイクアップアーティストの独自視点を掛け合わせ、最新のメイクトレンドを予測しています。
■コレクション傾向と調査分析による最新メイクトレンド
インターネットやスマートフォン、SNSの普及により、人々は世界中のニュースや情報を即時に入手し、社会問題やテクノロジーの進化を目の当たりにしています。その中で、SNSやコミュニティ内外からの評価を意識しての”映え”の行動や、”表層的なキャッチーさ”に対する飽きが生じ、「原点や本質に立ち戻る」という傾向が見られています。社会のムードをいち早く反映するファッションシーンでは、この価値観の変化に対応し、高品質を自負するブランドの多くが「クワイエットラグジュアリー」と言われる、上質な素材とベーシックなカラーを用いたシンプルかつ洗練された控えめなスタイルを提案し、トレンドとなりました。
メイクアップでは、リップを主役にフルメイクを楽しむ潮流から、24年春夏は、「原点や本質に立ち戻る」という意識が強く表れてくると予測します。抽出されたキーワードとしては、コレクションからは「静のムード」・「上質なミニマル」、一般の方へのヒアリング調査からは「自分らしさ」・「透明感」、国内女性雑誌・SNSからは「色気」・「美肌」が挙げられました。これらの傾向と、資生堂ヘアメイクアップアーティストの視点を掛け合わせた、2024年度春夏のメイクアップは、オトナの余裕を漂わせた色香とかわいげを両立した雰囲気がポイントです。自分らしさを底上げし、ほの甘ムードの「沼らせメイク」を提案します。
《ほの甘ムードの「沼らせメイク」》
メイクを表現するポイントは、さりげなく自然に淡い影を仕込んだ「淡影アイズ」、ヴェールをかけたようなチークで肌の美しさを底上げした「美肌ヴェールチーク」、ハリ感のある魅力的な唇を演出する「ぷるんリップ」の3つです。
《LOOK1》
チークがポイントの透け色と輝きでつくる甘さのあるメイクアップ。甘さの中に、ほのかな品を感じる”あざとかわいい”イメージです。一見甘くかわいいけれど、大人の余裕も演出。やりすぎず、メイク全体のバランスをとることで甘さと大人っぽさの両立を果たします。
■淡影アイズ
透け感のあるアイシャドウを使い、目のフレームに影をさりげなく”仕込む”ことで、なじませ盛りが叶います。
■美肌ヴェールチーク
色や質感による補正効果により、ナチュラルな美肌を演出します。輝きのあるチークをCゾーンに広げることで、肌補正をしながら色っぽさを与えます。
■ぷるんリップ
ツヤの出るタイプや、透け感の出るシアータイプの口紅を使うことで、丸みのあるフォルムでぷるんとハリのある唇を演出します。
■How Toと使用アイテム
Face:薄膜のうるおいツヤ肌
・下地を顔の中心から外側に向かってムラなく全体に伸ばします。
・ファンデーションを顔全体に薄く伸ばしツヤ肌に。
・ルースパウダーをブラシに取り、崩れやすい部分(小鼻やTゾーンなど)に塗布します。
・ハイライトを指に取り、鼻根部、鼻先、あご先部分になじませます。
Cheeks:輝きと血色で美肌見えチーク
・パール感のあるチークをブラシに取り、こめかみからほおの高い部分(Cゾーン)にふんわりと広めにぼかします。
・ほお骨の高い位置に重ねてグラデーションに仕上げます。
Eyes:さりげなく引き締めた淡影アイズ
・ウォームブラウンカラーを上下まぶたに塗布します。
・さらにブラウンカラーをアイホールの半分程度に重ねて自然な陰影をつけます。
・最後にダークブラウンカラーを目頭と目尻のまつ毛の際に細くなじませて淡い影を入れます。
・アイラインを黒目の終わりから目尻にかけて引きます。
・マスカラをセパレートするように上下まつ毛に塗布します。
Brows:明るめカラーのふんわり眉
・ライトブラウンのパウダーでふんわりと描きます。
・眉マスカラで色付けし明るい印象に。
Lips:自然なツヤでぷるんリップ
・唇の中央部分を丸くふっくらと描きます。
《LOOK2》
肌に溶け込むベーシックカラーと質感でつくる、ほのかな色香を漂わせたメイクアップ。凛とした甘さと、品のある色気を兼ね備えたノーブルな印象を与えます。
■淡影アイズ
温かみのあるブラウンを下まぶたに幅広く入れることで目の重心が下がり、可愛らしいバランスに仕上がります。肌に溶け込ませることで自然な影印象に仕上げます。
■美肌ヴェールチーク
パール感のあるチークを広範囲に入れ、肌に透明感とツヤを与えます。柔らかな発色のものを選ぶことで肌に溶け込み、ほどよい甘さを演出します。
■ぷるんリップ
ツヤのあるリップで色香漂う雰囲気に。唇の中央部分をオーバーに描くことで立体感が出て、ふっくらとした唇に仕上がります。
■How Toと使用アイテム
Face:下地7割 透明感ツヤ肌
・ラベンダー系の下地を顔の中心から塗り広げます
・くすみが気になる部分にはラベンダー系の下地を、赤みが気になる部分にはグリーン系の下地を重ねます。
・ツヤのあるファンデーションを顔の中心から薄く塗布します。
・ルースパウダーは崩れやすい部分(小鼻やTゾーンなど)に塗布します。
Cheeks:透明感とツヤを底上げ 美肌見えチーク
・パール感のあるチークを頬の中心から横広にぼかし広げます。
・肌を磨くように塗布することで、肌に溶け込み自然な血色感と透明感が生まれます。
Eyes:さりげなく影を仕込んだ 下重心アイズ
・アイラインをまつ毛の間を埋めるように細く描きます。
・アイシャドウのダークブラウンでアイラインをぼかして自然な影を演出します。
・ブラウンカラーを目の下に塗布します。
・明るめのウォームブラウンカラーはアイホールの半分程度、下まぶたには幅広くぼかすことで下重心に見せます。
・マスカラは上下に根もとからしっかりと塗布します。
Brows:繊細に仕上げる 優しげ眉
・パウダーでふんわりと色付けし、眉尻は細いブラシで描きます。
・眉マスカラを塗布後、何もついていないスクリューブラシでとかすことで繊細に仕上げます。
Lips:ふっくら ぷるんリップ
・唇の中央部分をふっくらと描きます。
・グロスを重ねてぷるっとした唇に仕上げます。
《ヘアメイクアップアーティスト紹介》
■LOOK1
・メイクアップ担当: 松井 怜 (Rei Matsui)
ファッション誌や東京コレクション、女性雑誌の撮影にヘアメイクとして携わる。特にファッション関連やトレンド感のあるヘアとメイクに定評がある。
HP:https://hma.shiseido.com/jp/member/matsui/?rt_pr=trp78
Instagram:https://www.instagram.com/rei.matsui/
・ヘア担当: 寺田 祐子 (Yuko Terada)
ブランド担当として商品開発や広告撮影に携わる。最先端のトレンドとリアルライフビューティーをつなぐヘアメイクの提案が得意。
HP:https://hma.shiseido.com/jp/member/terada/?rt_pr=trp78
Instagram:https://www.instagram.com/terada.yuko/
■LOOK2
・メイクアップ担当: 西森 由貴 (Yuki Nishimori)
ニューヨーク、パリ、東京のファッションウィークでヘアメイクとして活動。ファッションのヘアメイク、最新トレンドを生活者のリアルに落とし込むことが得意。
HP:https://hma.shiseido.com/jp/member/nishimori/?rt_pr=trp78
Instagram:https://www.instagram.com/nishimoriyuki____/
・ヘア担当: 藤岡 幹也 (Mikiya Fujioka)
ニューヨーク、パリ、ミラノ、上海、東京のコレクションなどで活動。セミナー講師、ヘアショー、ファッション誌やルックブックなど、多岐にわたり活動。
HP:https://hma.shiseido.com/jp/member/fujioka/?rt_pr=trp78
Instagram:https://www.instagram.com/mikiya_fujioka_official/
《コレクション分析》
資生堂ファッションディレクター 呉 佳子 (Yoshiko Go)
ファッショントレンド研究担当。ファッションのウラに潜む新しい時代のムードを読み解き、分かりやすく解説する。新聞やモード誌への寄稿、セミナーでの講師経験多数。花椿オンラインでコラムを連載中。
※1 資生堂ビューティークリエイションセンター:プロのヘアメイクアップアーティストが約40名在籍し、宣伝広告のヘアメイクアップ、メイクアップ商品のカラークリエイションをはじめ、NY、パリ、東京などで開催されるファッションショーのバックステージで活躍し、最先端のトレンド情報をグローバルに発信している。
資生堂ビューティークリエイションセンターWebサイト https://hma.shiseido.com/jp/?rt_pr=trp78
アーティスト公式Instagram https://www.instagram.com/shiseido_hma/
※2 資生堂のビューティートレンド研究:資生堂は1987年に「ビューティートレンド研究」を開始。ヘアメイクアップアーティストが在籍する強みを活かして、美容・ファッションの動向を分析し、未来のビューティー傾向をいち早く予測して、ヘアメイクを提案する独自の取り組み。商品開発やマーケティング、R&D に役立てている。
※3 一般の方へのヒアリング:美容感度の高いインフルエンサーなど各世代十数名へのヒアリング調査。
《モデル使用アイテム》
■LOOK1
肌/チーク
SHISEIDO エッセンス スキングロウ プライマー (24.3.1発売)
SHISEIDO エッセンス スキングロウ ファンデーション
SHISEIDO シンクロスキン インビジブル シルク ルースパウダー ラディアント
インウイ ハイライター 01
マキアージュ ドラマティックチークカラー (クリーム) RS421
SHISEIDO MARU FUDE マルチ フェイスブラシ
眉
インウイ アイブロウパレット 01
インテグレート ニュアンスアイブローマスカラ BR380
目もと
クレ・ド・ポー ボーテ オンブルクルールクアドリ 5
SHISEIDO マイクロライナーインク 02 Brown
マジョリカ マジョルカ ラッシュエキスパンダー ドーリーカール BK921 (24.2.21発売)
口もと
SHISEIDO テクノサテン ジェル リップスティック 408 Voltage Rose
■LOOK2
肌/チーク/ハイライト
マキアージュ ドラマティックスキンセンサーベース NEO ラベンダー
マキアージュ ドラマティックスキンセンサーベース NEO ミント (24.2.21発売)
SHISEIDO エッセンス スキングロウ ファンデーション
インウイ ルースパウダー
インウイ チーク 02 (24.2.21発売)
眉
インウイ アイブロウパレット 02
SHISEIDO ブロウ マスカラインク 01 Warm Brown
目もと
マキアージュ ロングステイアイライナー N BR662
インウイ アイズ 04 (24.2.21発売)
インウイ マスカラ 01 (24.2.21発売)
口もと
SHISEIDO テクノサテン ジェル リップスティック 405 Playback
クレ・ド・ポー ボーテ ブリアンアレーブルエクラ 2